■ 「テレワークは集中できる」の声で希望者が増加
私たちの会社は、消防設備点検業務を行っています。相手先企業を訪問して、実際の設備を点検し、必要な対応をアドバイスして、消防署に提出する書類を作成します。現場を訪問しなければならない業務で、かつ消防署への提出書類が「紙」ということもあり、なかなかテレワーク対応が進みませんでした。
そんな中、従業員の意識を変えてくれたのが、コンサルタントのアドバイスでした。
「できる人からやってみる」「できる範囲から対応してみる」というアドバイスをもとに、希望者を募ってテレワーク導入を進めました。最初は慣れていないこともあり、無駄な作業が多かったようです。しかし現場から出てきた質問をコンサルタントに相談すると、具体的な対策をアドバイスしてくれました。他社でも似たような状況が発生しているということでしたので、アドバイスは的確でした。
そのアドバイスを現場にフィードバックすると、徐々にテレワークのコツがつかめてきたようです。テレワークで業務をしている従業員から、「テレワークだと集中できて、効率がいい」という声が出始めました。そうなってくると、徐々にテレワーク希望者が増え、私たちのような業務においても「テレワークが可能だ」というイメージができはじめました。
■ テレワークによって従業員の自発性が育ち、生産性向上につながる
私たちの会社では、資料がほぼ「紙」で保存されています。最終的に消防署への提出が「紙」だからです。そのため従業員には、「必要な書類が保管されている会社でなければ作業ができない」という先入観がありました。しかし翌日の業務予定から業務タスクをシミュレーションすれば、必要な書類を事前に準備しておくことができます。必要な書類を事前に準備出来れば、点検の訪問先から直接自宅に帰っても、自宅作業が可能になります。
自宅では、周囲の従業員から話しかけられることもなければ、電話などの連絡も必要最低限になります。必然的に集中力が上がり、作業時間が短縮されます。これまで社内で指示待ちにより持て余していたような時間はなくなります。テレワークでは、次に何をすべきか自発的に考えて行動する必要があるためです。これまで指示を受けて対応していた受動的な業務スタイルが、自発的に必要な対応を予測して対応する能動的なスタイルに変わっていきました。
従業員が能動的に業務を行うように成長していることは魅力ですし、生産性向上は利益向上につながります。お子さんがいる従業員は、効率化した時間を子育てに有効活用できるようになり、働き方改革にもつながりました。経営的にメリットばかりです。テレワークをあきらめなくて、本当に良かったと思っています。
■ もっとペーパーレス化はできるはず
次のステップとしては、よりペーパーレス化を進めたいと考えています。
最終的に消防署に提出する書類が「紙」であるのは、仕方ありません。しかし、消防署に提出する前の社内管理する段階では、もっとやり方を工夫できるのではないかと考えています。押印手続きのワークフローは、システムを導入することでペーパーレス化ができましたから、知見さえあれば環境は変えられると考えています。
■ コンサルティングの活用で、着実に次のステップへ
IT知識が豊富な従業員がいない当社では、無料で専門的な知識が活用できる「テレワーク課題解決コンサルティング」は、非常に有用な手段でした。まず何から始めるべきか分からない私たちに、明確な手順を示してくれました。次回の打ち合わせまでに何を決めればいいのか、その際のポイントは何かを明示してもらうことで、着実に次のステップへ進むことができました。プロセスを提示してもらえることの価値は、非常に大きかったですね。
コンサルティングを活用したことで、専門家の力に頼ることで道が開けることがよく分かりました。自分たちの知識の範囲内で結論を出してしまっては、今の環境は構築できていませんでした。今後も、より広範囲のペーパーレス化を目指して、テレワーク環境のステップアップを進めていきたいと考えています。